東京都雇用・就業分野における女性の活躍を推進する条例|女性活躍|東京都産業労働局
掲題の件、見て行きたいと思います。方策については「女性の活躍を促進するための検討会議」「女性の活躍を促進するための検討部会」、そしてそれらの出発点「東京暮らし方会議」で議論されました(dai4kai_gijiroku-pdf)。
以下の時系列順に見て行きたいと思います。特記事項なければ飛ばします。
2. 令和5年5月22日 東京くらし方会議(第2回)
3. 令和5年6月20日 東京くらし方会議(第3回)
4. 令和5年8月30日 東京くらし方会議(第4回)
5. 令和5年10月13日 東京くらし方会議(第5回)
6. 令和5年12月19日 東京くらし方会議(第6回)
7. 令和6年1月31日 東京くらし方会議(第7回)
8. 令和6年5月22日 東京くらし方会議(第1回)(令和6年度)
9. 令和6年7月26日 東京くらし方会議(第2回)(令和6年度)
10. 令和6年9月9日 女性の活躍を促進するための検討部会(第1回)
11. 令和6年10月1日 東京くらし方会議(第3回)(令和6年度)
12. 令和6年11月15日 女性の活躍を促進するための検討部会(第2回)
13. 令和7年2月3日 女性の活躍を促進するための検討部会(第3回)
14. 令和7年2月17日 東京くらし方会議(第4回)(令和6年度)
15. 令和7年3月21日 女性の活躍を促進するための検討部会(第4回)
16. 令和7年6月13日 女性の活躍を促進するための検討会議(第1回)
17. 令和7年8月27日 女性の活躍を促進するための検討会議(第2回)
2. 令和5年5月22日 東京くらし方会議(第2回)
→ 大きな矢印では「固定的性別役割分担意識」、下の文章では「固定的性別役割分担意識」「性差による偏見・無意識の思い込み」と二つの用語があり、関係性が良く分からないです。出典元の内閣府は「意識」調査としてるため「固定的性別役割分担意識」とするべきだと思います。
また、「無意識の思い込み」という用語は不適切なので使わない方が良いです。精神分析における「無意識」ならば「思い込み」はしませんし、口語的な「何となく」「意図せず」という「無意識」ならば「思い込み」で事足りるからです。
この言い回しは、「何となくの言動が現代の社会的規範に照らして偏っていることがアンコンシャス・バイアスである」といった誤解を招くものでした(心理学の辞典にはない「アンコンシャス・バイアス」と、独自解釈ならば問題なし?、 日本での誤用:その他、独特の解釈(決めつけ・押しつけ、自己防衛心、無意識の思い込み、etc))。
3. 令和5年6月20日 東京くらし方会議(第3回)
4. 令和5年8月30日 東京くらし方会議(第4回)
資料4 プレゼンテーション資料(小室委員提出資料鈴木委員提出資料)(7.8MB)
5. 令和5年10月13日 東京くらし方会議(第5回)
資料4 これまで頂いた議論と意見(案)令和5年10月13日時点(8.5MB)
6. 令和5年12月19日 東京くらし方会議(第6回)
7. 令和6年1月31日 東京くらし方会議(第7回)
資料4_東京でのくらし方、働き方について~私たちの思い~(27.6MB)
【鈴木委員】「また、性別役割分担のアンコンシャスバイアスもいまだ根強いというデータを都のほうからもお示しいただきまして、そこも非常にクリアになり、これは積極的に意識を変えていくようなアクションを起こさないと、男性はこう、女性はこうというステレオタイプを解消するのは難しいと思っていますので、先ほど、今後は広報活動を盛んにやっていくというお話がありましたけれども、このことを具体的にどう発信していくのかということも、この先、次のステップとして取り組んでいっていただきたいと思います。」
→ 都のデータは性別役割分担意識でありアンコンシャス・バイアスではないので、混同しない事が大切だと思います。
8. 令和6年5月22日 東京くらし方会議(第1回)(令和6年度)
9. 令和6年7月26日 東京くらし方会議(第2回)(令和6年度)
→ 女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチームは、アンコンシャス・バイアスを誤解していますので、その内容を参照する際は留意が必要です(女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム:「アンコンシャス・バイアス」を論じる前に、 女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム:「アンコンシャス・バイアス」について)。
→ 「バイアス」と書かれている部分は「性別役割分担意識」に変更した方が良いと思います。
→ 同様に、左は先に紹介した 8.東京くらし方会議(第1回)(令和6年度)のもの、右は今回のものです。「性別による思い込み」が「性差による無意識の思い込み」と変更されていますが、この調査から無意識に関し言うべき事は無いと思います(第5回 第6次基本計画策定専門調査会を批評してみる -東京都の調査は論拠として弱い-)。また、「無意識の思い込み」は不適切な用語だと思います。
11. 令和6年10月1日 東京くらし方会議(第3回)(令和6年度)
→ 左は先に紹介した 10.女性の活躍を促進するための検討部会(第1回)のもの、右は今回のものです。「性差による無意識の思い込み」「性別・年代別の無意識な思い込み」という文言が「アンコンシャスバイアスの実態」に変わっています。
12. 令和6年11月15日 女性の活躍を促進するための検討部会(第2回)
→ 左上:「性別による「無意識の思い込み」に関する調査研究」は考察が弱いと思います(第5回 第6次基本計画策定専門調査会を批評してみる -東京都の調査は論拠として弱い-)。
右上:「アンコンシャス・バイアス ウィーク」で行ったのは性別役割分担意識に関わるものでした。これを監修した方はどなたですか?大人ならまだしも、子供たちに対して誤った働きかけを行った事に、怒りを覚えます。
下段二つ:「女子中学生向けオフィスツアー」「女子中高生向け女子大学生との座談会」は潜在的バイアス(アンコンシャス・バイアス)を弱める良い取り組みだと思います(理数系の成績の男女差と潜在的ステレオタイプの関係について)。
【佐々木委員】「あと、教育というお話もありまして、実は今週の月曜日に内閣府の矢田稚子総理大臣補佐官が連合東京に来ていただいて、1時間ぐらい意見交換をさせていただいたんですね。国のほうも女性活躍のプロジェクト(「女性の職業生活における活躍推進プロジェクトチーム」)をやっていて、やっぱり国も女性活躍をどうしていくかすごく悩んでいて、現場の声を聞きたいということで先日いらっしゃって意見交換させていただいたときに、いわゆるリケジョ、理系の女性が少ないというところ、でも、教育の部分は、小学校も中学校も平等な教育になっているのに、何かどこかで、社会に出た途端に差がつくのは何ででしょうねというお話があって。それは私が第1回で言ったと思うんですけれども、女の子だから短大でいいよねという意識の問題、小学校、中学校まで理科が好きな女の子はたくさんいるはずなんです。なんだけれども、周りから、えっ、女の子が理系なんてという訳の分からないプレッシャーというか、そういったもので、こちらに進んじゃいけないんだと無意識に軌道修正をさせられている女性が必ずいるはずなんです。
その子たちがどうやったらという、そういう無意識な押しつけがずっと来ていたんだろうなというのは、繰り返しますが、令和のいまだにそういうのがありますので、教育の部分も、先ほど村田委員がおっしゃったように、大学なのか高校なのか、いわゆる労働法だったり、労組法だったり、労働組合ってちゃんとあるんだよというところも含めて、きちんとしたそういう教育。我々は、働く自分がちゃんと個人として人権を保障されているんだとか、そういうことも含めた教育をしていかなければいけないんじゃないかなと思っております。」
→ 無意識に軌道修正させられている女性が必ずいるとは言い切れませんが、潜在的バイアス(アンコンシャス・バイアス)と理数系の得点には相関関係がある事が分かっています(理数系の成績の男女差と潜在的ステレオタイプの関係について)。
13. 令和7年2月3日 女性の活躍を促進するための検討部会(第3回)
【松本副知事】「今さらながらなんだけれども、根深いものとして、アンコンシャスバイアスをやっぱり本当に払拭しなくちゃいけないんだということとか、一企業だけではなくて、企業間でいろいろな情報共有や認識共有をする、そういったコミュニティーも大事だと、そういうような様々なありがたいご提案をいただきました。」
【村田委員】「日本の場合は、非正規やパートタイムには、身分格差のようなものがある。非正規になるとステージの中心から去っていくようなイメージがあるので、きちんと元に戻せる仕組みをつくることが必要と思います。東京都においては、アンコンシャスバイアスをつくらない、という方向で、例えば、いつの間にか非正規という言葉が世の中に浸透してしまったけれども、できるだけそういった言葉を使わないで、皆社員とする。働き方がフルか、パートかというふうに、できるだけ正しい状態に戻す流れをつくるのがよいと思っています。」
→ これまでの資料からは、「無意識の思い込み」「アンコンシャス・バイアス」とは「性別役割分担意識」の意で使われています。「意識啓発」は大切だとは思いますが、潜在的バイアス(アンコンシャス・バイアス)がなぜ世界的に注目を集めているか、知っておく必要があると思います。
14. 令和7年2月17日 東京くらし方会議(第4回)(令和6年度)
【吉浦部長】 「まずは、無意識な思い込みを認識し、固定的性別役割分担意識に基づく制度・慣習を見直すことを示しております。また、こうした意識は若年層にも存在することを鑑みて、性別にとらわれず、子供や若者の個性や能力を育み、将来の選択肢を広げる環境の整備や、科学技術分野など女性が少ない分野に従事する女性の人数を増やす取組をお示ししております。」
→ 「無意識な思い込み」がもし「無意識」のものであるなら、通常のやり方では認識する事は出来ません。「固定的性別役割分担意識に基づく制度・慣習を見直す」で良いと思いました。
15. 令和7年3月21日 女性の活躍を促進するための検討部会(第4回)
→ 前回の検討部会の委員の発言を受け「アンコンシャス・バイアスや身分格差を想起するような「非正規」という言葉を使わずに、「フル社員・バート社員」など勤務時間の長短で呼称するとよい」という文言がありますが、アンコンシャス・バイアス(潜在的バイアス)は「偏見」といったものではありません。「アンコンシャスバイアスや」は省いた方が良いと思います。
→ 「男性の様な働き方を女性にも求めることを無意識の前提としているが」とありますが、「無意識の」は不要だと思います。
→ 意識改革について「公共調達をポイント制にして、これをやらないと東京都と契約できないなど、政策のやり方を工夫することも無意識の意識を変えるという意味では重要」とありますが、「無意識の意識」は意味を成しません。「意識を変える」で良いと思います。
【橋本委員】「大下さんが最後におっしゃった東京に流出するというのは、同友会の全体でも本当に言われているところで、アンコンシャス・バイアスが激しい。例えば3世帯同居が当たり前みたいな世帯が多い地方では、東京とは限らないのですが、著しく大都市圏に女性が流出して戻ってこないというふうになっているのですね。そういう日本ので、東京がこの条例をつくるということは、1つのモデルになるということなんじゃないかな。従来の無意識の役割分担にとらわれない働き方ということの1つのモデルとして、これを一つ地方でもチャレンジしませんかというような旗というか、そういう旗が上がるといいなというのを感じたので、補足して述べさせていただきました。ありがとうございます。」
→ 通常の生活で「潜在的バイアス(アンコンシャス・バイアス)」を把握する事は出来ません。「アンコンシャス・バイアス」とされている所を「固定的性別役割分担意識」にして頂きたいと思います。
16. 令和7年6月13日 女性の活躍を促進するための検討会議(第1回)
→ ここでの「アンコンシャス・バイアス」は「固定的性別役割分担意識」の事だと思います。
本来の研究である「潜在的バイアス(アンコンシャス・バイアス)」の知見が日本にはほぼありません。まずはその指標を知り有無を確認する事が必要です。それなしに「解消」する事は出来ません。
17. 令和7年8月27日 女性の活躍を促進するための検討会議(第2回)
→ 「無意識の思い込み」という用語は不適切です。「固定的性別役割分担意識や潜在的バイアス(アンコンシャス・バイアス)」が良いのではないでしょうか。
まとめ
これまで見て来たように「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)」は学術的・国際的な定義とは異なる意味で使われてしまっているので、きちんと用語を整理するところから始めるべきだと思います。
学術的・国際的には「アンコンシャス・バイアス(unconscious bias)」よりも「潜在的バイアス(implicit bias)」と言うのが主流です(世界での 「Implicit Bias(潜在的バイアス)」 という言葉の広がり、論文、一般的書を含む公開データで見る、アンコンシャス・バイアス < 潜在的バイアス、アメリカ心理学会のデータベースで調べてみた)。
この言葉の混乱を解消して根強い差別や格差に向き合うため、本来の研究が用いる「潜在的バイアス」という用語を導入するべきだと私は思います。内容は「潜在的バイアス」という用語のすゝめ にまとめています。
これからも東京都や社会に働きかけて行きたいと思います。
2026/01/01 色々言葉が足りない所を補足修正。画像が小さくなっていたものは貼り直し。
Comments
Post a Comment