第6次基本計画策定専門調査会(第3回)及び計画実行・監視専門調査会(第40回)議事録 | 内閣府男女共同参画局
掲題の件、見て行きたいと思います。
この会議では、第5次基本計画の振り返りを行っていました。
発言としては、農林水産省大臣官房審議官の勝野さんが「アンコンシャス・バイアス」に言及しています。
○勝野審議官 (農林水産省大臣官房審議官)
「本年度は農業分野におけるアンコンシャス・バイアス解消のための動画コンテンツの作成にも着手しており、このサミットで活用していこうと考えております。」
○勝野審議官 (農林水産省大臣官房審議官)
「女性の農業参画への関心を高めるため、アンコンシャス・バイアスについてのビデオを作って啓発をしていきたいと考えております。」
→ この動画は、以下のサイトに記載されているものと思われます。
その動画自体は以下にあります。
この動画には以下の様に「性別に基づく一方的な思い込み(固定的な性別役割分担意識)」という説明文がついています。
よって、これは意識啓発の動画であり「アンコンシャス・バイアス解消のための動画コンテンツ」「アンコンシャス・バイアスについてのビデオ」とまでは言えない、もしくは「性別に基づく一方的な思い込み(固定的な性別役割分担意識)」が「アンコンシャス・バイアス」であると誤解されるものになっているのではないでしょうか。混乱を避けるために、勝野さんには今後この動画を明確に「意識啓発」の動画であるとして扱って欲しいと思います。
次に、資料について見て行きたいと思います。
→ 第1回 第6次基本計画策定専門調査会を批評してみる こちらで既に意見は述べています。
→ 地方創生2.0の「基本的な考え方」、基本構想の一つ「安心して働き、暮らせる地方の生活環境の創生」のために、「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)、ジェンダーギャップの是正・解消」が考えられる施策として挙げられています。しかし、それは地方創生2.0の有識者会議において学術的に誤った用法で使用されているため、以下の記事で指摘しています。
→ (先に述べた)動画を作成中である、と触れている資料でした。
「女性の活躍推進の観点で特に課題とされている女性の正規雇用におけるL字カーブの解消のための施策として、アンコンシャス・バイアス解消に向けた啓発、および学生等を対象としたキャリア形成支援等に関する周知・啓発事業に取り組む。」
→ L字カーブとアンコンシャス・バイアス(潜在的バイアス)に関係があるというデータを政府は持っていない、もしくは公表していないはずです。論拠に基づいて説明できないならば、この事業に国民の理解は得られないのではないでしょうか。
「夫婦同氏規程により氏を変更する人のほとんどは女性だが、性別による偏りが非常に大きく、女性は結婚したら氏を変えるべき、または変えないとならないといったアンコンシャス・バイアスも要因であると考えている。旧姓の通称使用では氏が変わるという個人の尊厳に関わる人権の問題の解決にならず、選択的夫婦別氏制度を導入するべき。 」
→ どのようなデータから「アンコンシャス・バイアス」であると判断したのでしょう。これは「アンコンシャス・バイアス」ではなく、「社会通念」ではないでしょうか。
第1分野 政策・方針決定過程への女性の参画拡大
行政分野
「女性職員の活躍や全ての職員のワーク・ライフ・バランスに資するよう、管理職に対し、アンコンシャス・バイアス、育児休業、テレワークや休暇取得促進等に関する研修を実施した。(内閣官房)」
→ これは誰による研修なのか、気になりました。多くの組織がこのような研修やセミナーに多額の費用と時間を費やしていますが、その効果が検証されていません(研修やセミナーは、有効なの?)。
第2分野 雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和
積極的改善措置(ポジティブ・アクション)の推進等による女性の参画拡大・男女間格差の是正
「個々の女性労働者の活躍推進を阻む要因となっている無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に向き合い対応するための啓発に関する研修動画及び、メンター制・ロールモデル等に関するマニュアル・好事例集を作成した。(厚生労働省) 」
→ 2026/1/16 の動画です。「アンコンシャス バイアス」で検索したサイトについて、論じてみるで私の意見を述べています。それに付け加えて、「思い浮かべていた」事は「アンコンシャス・バイアス」ではありません。アンコンシャス・バイアス(潜在的バイアス)は以下の様なテストで間接的に測定されるものをいいます。
第3分野 地域における男女共同参画の推進
地方創生のために重要な女性の活躍推進
「性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)について、気付きの機会を提供し、解消の一助とするため、令和3・4年度に調査研究を行い公表した。また、調査研究の結果やチェックシート・事例集に基づき、普及啓発用動画の制作やワークショップを開催した。(内閣府)」
→ この調査研究は、設問で「家事・育児は女性がするべきだ」「組織のリーダーは男性の方が向いている」等といった考え方に対し「そう思う」「どちらかといえばそう思う」「どちらかといえばそう思わない」「そう思わない」の4段階で答えるものです。そして、その「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の選択肢を選択した割合が「アンコンシャス・バイアス」の割合とされています(202110.pdf)。しかし、定義として「アンコンシャス・バイアス(潜在的バイアス)」はこのようなアンケート形式で計測されるものではありません。やった事を成果として主張する前に、失策の再発防止に取り組んで下さい。そして、行政のサイトにある学術的な知見に基づかないものに全てその旨注記し、誤解の拡散を防ぐ対応をして下さい。
第4分野 科学技術・学術における男女共同参画の推進
女子学生・生徒の理工系分野の選択促進及び理工系人材の育成
「女子生徒等のIT分野をはじめとする理工系分野への進路選択の場面におけるアンコンシャス・バイアスを払拭することを目的に、女子生徒等だけでなく、理工系選択を後押しする立場の保護者や教員も対象とした動画を令和5年に公開し、理工系進路選択に関する理解を促進した。(内閣府)
「大学、研究機関、学術団体、企業等が実施する理工系女子応援イベントを広報する「夏のリコチャレ」、「理工チャレンジ」HPを通じた情報発信、理工系分野の最先端で活躍するSTEM Girls Ambassadors を全国へ派遣する事業、人口5万人未満の地域における若手理工系人材による出前授業等を通じて、女子児童・生徒、保護者及び教員に対し、理工系選択のメリットに関する意識啓発、理工系分野の仕事内容、働き方及び理工系出身者のキャリアに関する理解を促すとともに、無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)の払拭に取り組み、女子生徒の理工系進路選択を促進している。(内閣府) 」
→ 上記動画は、【全体版】性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)の解消等に向けた普及啓発用動画~PART2~ - YouTube だと思われます。
以下の言動がアンコンシャス・バイアスにあたる、と述べられています。
「女性は結婚によって、経済的に安定を得る方が良い」
「女性には高い学歴やキャリアは必要ない/職場では、女性は男性のサポートにまわるべきだ」
「同程度の実力なら、まず男性から昇進させたり管理職に登用するものだ」
「女性の上司には抵抗がある」「女性は感情的になりやすい」
「女性社員の昇格や管理職への登用のための教育・訓練は必要ない」
「親戚や地域の会合で食事の準備や配膳をするのは女性の役割だ」
「大きな商談や大事な交渉事は男性がやる方がいい」
「組織のリーダーは男性の方が向いている」
これらは従来から言われている「性別役割分担意識」であり、「アンコンシャス・バイアス」という用語を使う必要は無いと思います。敢えて「バイアス」という用語を使うならば、これらは「顕在的バイアス」です。
第10分野 教育・メディア等を通じた男女双方の意識改革、理解の促進
男女共同参画を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実
「初等中等教育の学校現場における男女共同参画について、教員自身の「無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)」への気付きを促し、男女共同参画の基本理念や意義を整理するとともに、日常の教育活動や学校運営などを男女共同参画の視点から捉え直し、自身の指導のヒントにつながる教員向けの研修プログラムの開発を行い、研修モデルについて周知を行っている。(文部科学省)」
→ これは、独立行政法人国立女性教育会館(NWEC, National Women's Education Center)が委託したもので、内容は「ステレオタイプ」に関するものでした(第2回 第6次基本計画策定専門調査会を批評してみる)。
国民的広がりを持って地域に浸透する広報活動の展開
「性別による無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)について、気付きの機会を提供し解消の一助とするため、令和3・4年度に調査研究を行い公表した。また、調査研究の結果やチェックシート・事例集に基づき、普及啓発用動画の制作やワークショップを開催した。(内閣府) 」
→ 「第3分野 地域における男女共同参画の推進 地方創生のために重要な女性の活躍推進」の項目で指摘した内容と同じです。
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