掲題の件について紹介し、意見を述べたいと思います。
第三回有識者会議は、令和7年1月25日に開催されました。
そこで紹介された「矢田稚子内閣総理大臣補佐官説明資料」(siryou1.pdf)のページ15では、「アンコンシャス・バイアスについて分かりやすく発信している例」として富山県の特設サイトを紹介しています(画像はクリックで拡大します)。
これは「思い込み」であり、「アンコンシャス・バイアス(潜在的バイアス)」ではありません。従来からの「視野が狭い」「浅慮」「先入観」といった語彙で説明可能なことを、何故「アンコンシャス・バイアス」と殊更置き換えて表現するのでしょうか。アンコンシャス・バイアス(潜在的バイアス)研究は、顕在的に報告されるものとは別の切り口で心の側面を測定するという独自性のある大きな成果を出したものだったのですが、日本ではその話題性だけが利用され、中身は全く異なるものが展開されています。富山県では、一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所の監修を受けており、その誤った教えをここでは展開している事になります。
同じ資料ページ16では、「小中学校の保護者・教員向け「出前講座」を開催」とあります。
次に、株式会社WILL LAB代表取締役の子安美和さんの資料(siryou2.pdf)について述べます。資料ページ8、「意識調査からアンコンシャス・バイアスを可視化」という記載があります。
これらは各自の「雰囲気や風土」に対する意識的なアンケート項目であって、アンコンシャス・バイアス(潜在的バイアス)についての調査項目ではありません。
上記のように、矢田さんが紹介した一般社団法人アンコンシャスバイアス研究所の監修を受けた資料や、子安さんの資料からは、「アンコンシャス・バイアス」を「思い込み」「雰囲気や風土」と解釈している事が分かります。それらはアンコンシャス・バイアス(潜在的バイアス)と密接に関わっていると思われますが、アンコンシャス・バイアス(潜在的バイアス)そのものではありません。
現状では誤解を広めるような事になっているので、これからも様々な媒体を使い、より良く理解頂けるよう働きかけて行きたいと思います。
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