第4回 第6次基本計画策定専門調査会を批評してみる -日本では科学的知見が乏しい-

 第6次基本計画策定専門調査会(第4回)及び計画実行・監視専門調査会議事録 | 内閣府男女共同参画局

掲題の件、見て行きたいと思います。

この会議では、基本構想、人材・地域・意識、安心・安全という3つのワーキング・グループにおける検討状況が報告されました。

○鈴木委員 (株式会社大和総研常務執行役員)基本構想ワーキング・グループ

「アンコンシャス・バイアスのない評価の仕組みの必要性と、その仕組みを適切に行える人たちの育成が不可欠であるという意見であります。」

→ 【資料1】基本構想ワーキング・グループにおける検討状況にもう少し情報があります。

「アンコンシャス・バイアスが作用しないような採用、昇進、評価の仕組みの導入と、それらを適切に行える 人たちの育成が、全ての領域を通じて、女性が政策・方針決定過程まで進んでいくには不可欠ではないか。」

→ 日本では「価値観の押しつけは止めましょう」といった教えを説くコンサルタントや研修業者が多い中、潜在的バイアス(アンコンシャス・バイアス)研究が扱う大切な事を語っていると思います。これを実現するにはこの研究への十分な理解と、導入する仕組みの科学的な検証が不可欠です。仕組みの導入のコストはそれなりにある為、これまで行ってきた「意識啓発」の意味合いでは難しいと思います。論拠となる潜在的バイアス(アンコンシャス・バイアス)研究がそもそも日本では活発ではない(領域と地域が用語に与える影響への所感)ので、取り組むならそこから始めるべきではないでしょうか。


○徳倉委員 (NPO 法人ファザーリング・ジャパン理事、株式会社ファミーリエ代表取締役社長)人材・地域・意識ワーキング・グループ

「(ブログ著者注:雇用における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和の文脈で)職場においても無意識の偏見、アンコンシャス・バイアス等、思い込み、性別役割分担に気づいていただく、ここが大きなポイントになってきているという指摘が出てきております。」

→ 【資料2】人材・地域・意識ワーキング・グループにおける検討状況に即して述べています。性別役割分担意識に対する啓発なら分かりますが、無意識のことに関し本人が気づく事は定義として通常不可能です。


「(ブログ著者注:教育・メディアを通じた男女双方の意識改革、理解の促進の文脈で)医療従事者、教育者、経営者等、専門性に合わせた人材教育が必要であるとされています。医療や生物関係の研究には、ジェンダー教育だけではなく生物学的な性差であるセックスの違いに着目した教育も重要であり、教育者には生徒・学生の進路選択にも深く関わるアンコンシャス・バイアスの理解を求める教育機会を提供する必要があります。」

→ 抽象的かつ分かりにくい文言ですが、意図は以下の様なものだと思いました。

「医療や生物関係の分野では「男性と女性ではかかる病気の傾向が異なる」等生物学的な性差が研究対象になり得る。一方で、教育者には、生徒の進路選択に大きな影響を及ぼす可能性があるため、自身の潜在的バイアス(アンコンシャス・バイアス)に対して理解を深めるべきである。」

後半について、教育者が自身の潜在的バイアス(アンコンシャス・バイアス) への理解を深めるだけでなく、教育者はどのように対応したら良いのか、行政は指針を示さなければならないと思います。それには、相応の科学的知見に基づいた提言が必要です。

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