日本での誤用:解釈の逸脱を招いた要因

  日本で上記のような解釈の逸脱が起きた原因の一つは、日本に導入された時期(2016)のリーフレット(UnconsciousBias_leaflet.pdf (djrenrakukai.org))に、学術的に主流である「潜在的バイアス(Implicit Bias)」ではなく「無意識のバイアス(Unconscious Bias)」が採用され、大学や学会、内閣府に周知された事ではないでしょうか。

 「潜在的バイアス」が採用されていたら、「潜在的な思い込み」という日本語は不自然である為、「無意識の思い込み」のような範囲の広い解釈にはならなかったと思います。

 「無意識の」という言葉は、日常会話で「考えなしの」「意図しない」「なんとはなしの」といった意味でも使われます。そこから「無意識のバイアス」は普段なんとなく思っている事も該当する、と誤解された可能性があります。その為、それらを単純な質問やチェックリストで振り返る事が出来るとされたのでは、と著者は考えています。


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