アンコンシャスは「無意識の」、バイアスは「偏り」や「偏見」等と日本語では訳される事が多く、アンコンシャス・バイアスは「無意識のバイアス」「無意識の偏り」「無意識の偏見」等と呼ばれる事があります。ここでは、英語の響きのまま「アンコンシャス・バイアス」という用語を使います。
アンコンシャス・バイアスが人の意識に影響を与えた例として、ブラインド・オーディションの逸話があります。これは、アメリカの著名なオーケストラ入団オーディションで、1970年代には団員に占める女性の割合は10%以下だったのですが、オーディション時に演者と審査員の間につい立てを置くようにしたら、それは40%近くに上がったのです("Blindspot Hidden Biases of Good People" M.R.バナージ、A.G.グリーンワルド)。審査員に、「男性の方が演奏が優れていると思いますか?」と聞いても、「いいえ、音楽性に性差は無いと思います。」と答えるでしょう。しかし、演者の性差が分かる状態だと、審査員はそれに影響されていたといえます。
アンコンシャス・バイアスとは、本人が顕在的に報告する意識ではなく、間接的にその存在を測定されたものを言います。上記の例では、女性団員の割合から、その存在を示唆されているものです。
ご参考までに、Goldin と Rouse が1997年に発表したブラインド・オーディションに関する論文の図に、近年のデータを追加したものです(画像はクリックで拡大します)。
『アンコンシャス・バイアスは、社会の進展に伴い人々の差別意識が弱まっていく一方で、それでもなお根強く残る社会格差や差別の原因を社会に突きつけるために生まれた概念であると、私は考えています。意識と行動の矛盾の背後に、私たちが気づかない意識の下(無意識)にその潜在的存在を仮定するものです。』小林敦子さんとの対談形式の記事より
これから、アンコンシャス・バイアスには別名がある!?という事について、述べていきたいと思います。これは、日本の誤用問題の解決策の鍵になる事実です。是非お読みください!
"generate an image of hidden bias"
(2025/2/28 追記) 「アンコンシャス・バイアスとは・・・」の段落。
(2025/3/17 追記) Goldin と Rouse の1997年論文を元にした図。
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