行政による「アンコンシャス・バイアス」啓発動画が YouTube には沢山アップロードされていますが、その作成にはどのぐらいの費用がかかったのか、炎上して話題になった「ギャン太郎」での資料を参考に見積もって見ました。調査したのは、2026年2月時点での動画です。
私が把握した動画一覧は以下になります。
総時間は、7時間53分46秒でした。分で四捨五入して 474分です。
参考にした「ギャン太郎」では、約 6 分の動画作成と、動画を閲覧した高校三年生への意識調査とあわせ、約 688 万円かかったようです(https://www.pref.osaka.lg.jp/documents/113351/gijiyoushi.pdf, https://www.jcp.or.jp/akahata/aik25/2026-01-30/2026013013_03_0.php)。
そこで、動画作成がその半額の 344 万円だとして一分当たり 56.67 万円です。この単価を今回の動画の総時間に当てはめると、2 億 7000 万円になりました。中央省庁だけだと、1 億 5000 万円です。
なお、検証用として農林水産省の令和7年度用 記録映像作成業務基準単価(index-297.pdf)を参考に見積もってたところ、約 2 億 4000 万円 と約 1 億 4000 万円でした。
ただし、実写やアニメーションなど各動画に違いがある為、見積もりの精度は保証されていない事に留意が必要です。
これらの内容がかなり重複している事を考えると、啓発という名目で似た動画を多量に作り続ける事が本当に必要だったのか、税金の使い方として妥当だったのか、疑問に思いました。
「ギャン太郎」と「アンコンシャス・バイアス啓発動画」の共通点
「ギャン太郎」は、大阪府が博報堂プロダクツ関西支社に発注した、ギャンブル依存症に対する啓発動画ですが、専門家不在で不適切な内容であるとの批判が殺到し、公開停止・修正・再公開されたものです。
「専門家不在で不適切な動画」という点は「アンコンシャス・バイアス」についても当てはまります。動画では「アンコンシャス・バイアス」が「性別役割分担意識」「ステレオタイプ」「固定観念」という意味で用いられていますが、それらは「意識」のことです。一方「アンコンシャス・バイアス」は以下の様なテストで間接的に計測されるバイアスについての用語です。
アンコンシャス・バイアス(潜在的バイアス)を測るテスト、IAT
既存の用語では説明できないからこそ、新しい用語が導入されているのです。
行政が本来すべきこと
行政は、新しい用語を理解し施策する際には、自称ではなくその背景について十分に精査された専門家に監修を依頼すべきです。また、監修者の責任範囲を明確にし、担当者の確認項目や手順を確立し、市民への説明責任が果たす事が必要だと思います。
動画に費やしたこの規模の費用があれば、この分野でそれなりに意味のある研究がなされただろうに、と残念です。


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